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いやな気分の整理学――論理療法のすすめ
私が学んだ心理療法のなかでも、この件に関してかなり顕著な効き目があると思うのが
アメリカの心理学者アルバート・エリスの創始した「論理療法」です。
といっても本書は専門書ではありませんから、学問としての論理療法の全体を正確・詳細
に解説することを目的にしません。 私の学び消化しもしかしたら変化・深化させた論理療
法的な考え方を使って、私自身やまわりのたくさんの方の、困った性格……というより「心
の癖」を治すことができた体験を、読者のみなさんにもお伝えしたいというのが目的です。
(同書「はじめに」より一部抜粋)
(2008年 NHK出版・生活人新書[258] 新書判/169頁)
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空海の『十住心論』を読む
空海が天才であることはよく知られているが、その主著『十住心論』で実際に何が語られ
ているかはほとんど知られていない。ひたすら食欲や性欲に駆られている凡夫の段階から
真言密教の究極の覚りまで、人間の心を十段階に分けて論じた、その論旨は、実は日本
精神史にとって決定的に重要な意味を持っている。空海の生涯とこの主著の、時代的、現
代的意味を明らかにした。
(2005年 大法輪閣 四六判/350頁)
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唯識と論理療法――仏教と心理療法・その統合と実践
仏教と心理学はどちらも「心」をテーマにしている。その両者をどう生産的に統合するか。
「ものの見方を変えることで感情や生き方を変えることができる」という共通点のある唯識と
論理療法を選択し、日常生活に役立つようなかたちで統合することを試みた。前例のない
新しいシステムであるが、その有効性はすでに多くの授業やワークショップで実証されてい
る。
(2004年 佼成出版社 四六判/261頁)
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道元のコスモロジー ――『正法眼蔵』の核心
鎌倉仏教の代表的存在の一人、曹洞宗の祖師、深い思索を展開した中世の思想家とし
て知られる道元の主著『正法眼蔵』は、非常に魅力的ではあるが難解な文体で書かれてい
て、なかなか本当には理解されていない。その核心にあるものを、全肯定・絶対肯定のコス
モロジーとして読み解いた。
(2004年 大法輪閣 四六判/342頁)
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聖徳太子『十七条憲法』を読む――日本の理想
日本初の憲法である『十七条憲法』のなかに込められた、「和」という理想が、単なる保守
的なイデオロギーなどではなく、現代日本にとっていかに原点的に重要かつ有効であるか
を読み取り、〈聖徳太子〉のイメージと『十七条憲法』のなかみが、日本人の健全なアイデン
ティティの再確立のベースとなることを願って書いたものである。
(2003年 大法輪閣 四六判/234頁)
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生きる自信の心理学――コスモス・セラピー入門
現代の科学的な宇宙像、トランスパーソナル心理学、論理療法、アドラー心理学などの成
果を統合しながら、深刻な自信喪失やニヒリズムに陥っている現代人が、どうしたら根本的
な自信を持つことができるか、理論とワークの両面からアプローチする。すでに多くの社会
人・学生を対象として行なわれ、目覚しい効果のあがることが現場で実証された方法をわ
かりやすく体系的に紹介する。
(2002年 PHP研究所 新書判/240頁)
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自我と無我――「個と集団」の成熟した関係
人間にとって重要なのは、自我の確立か無我になることかという議論・対立は、ほとんど
個人主義か集団主義かという問題と同一視された、日本の近・現代の大きなテーマである
が、実はそうした対立は「無我=滅私」という概念の理解に誤解・混乱があったためである
ことを指摘し、唯識における無我の理解と、ピアジェなどの発達心理的な視点、およびケン・
ウィルバーの提唱する「コスモスの四つの象限」の概念を導入することによって、混乱を整
理して、対立を解消・止揚し、個と集団のバランスのとれた関係を可能にする成熟したパー
ソナリティ像を提案する。
(2000年 PHP研究所 新書判/211頁)
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コスモロジーの創造――禅・唯識・トランス・パーソナル
宗教哲学、禅、唯識、トランスパーソナル心理学などに関わる論文の集成。中心的テーマ
は、人間が何らかの世界観・コスモロジーを持たないでは生きられないこと、近代の物質主
義的な科学主義と個人主義的な民主主義が必然的に意味の次元を見失わせ、倫理の崩
壊をもたらすことを指摘し、宇宙全体の関連・つながりと重層性・かさなりの構造を捉えた新
しいコスモロジーによる、人間の生死の意味の再発見と倫理の再確立を提案している。
(2003年 法蔵館 四六判/231頁)
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大乗仏教の深層心理学――『摂大乗論』を読む
※新装重版が2011年6月に刊行されました
唯識の立場から大乗仏教の全体像をきわめてシステマティックに理論化した唯識の代表
的な古典『摂大乗論』を現代語訳(下記)を使って概説する。とりわけ、人間の心のもっとも
深い領域としている「アーラヤ識」が、迷いの根拠であると同時に悟りの根拠としていること
の意味、すなわち心の深層領域が人間の悩み・葛藤・問題の根源であるとともに、それを超
える可能性を含んでいると主張しているところに、人間の希望の根拠を読み取っている。
(1999年 青土社 四六判/281頁)
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唯識のすすめ――仏教の深層心理学入門
NHKのラジオ放送のテキストを元にした唯識の概説書。筆者が現代の三つの大きな課
題と捉えている、戦争、環境破壊、意味の喪失について、その克服の決定的なヒントとして
唯識を解読した。唯識の体系を〇−空、一−一如、二−二無我、三−三性、四−四智・八
識、五−五位、六−六波羅蜜、∞―無住処涅槃というふうに、概念に関わる数の順に述
べ、理解と記憶を容易にすることを試みている。また、西欧の深層心理学の三大潮流、フロ
イド、ユング、アドラー、及び人間性心理学、トランスパーソナル心理学との統合的理解の可
能性について要点を述べた。
(1998年、NHK出版 ライブラリー判/404頁)
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よくわかる般若心経 二七六字の本当の意味が見えてくる
わかる般若心経
日本人がもっとも知っているようで、実はその内容を理解していない『般若心経』の「空」
の思想を、現代日本人が自らの精神的な伝統の根源にある大きな思想的遺産として再発
見・再獲得できるように、できるだけ正確に、しかし平易に解説した。「空」は最終的には体
験的・直観的に体得するほかないものだとされるが、ここでは縁起、無自性、無常、無我、
一如、苦などの概念との関わりで、言語化可能なぎりぎりの線まで語ることを試みた。
(『よくわかる般若心経』2004年 PHP研究所 文庫判/262頁 下記水書坊版を一部
改訂)
(『わかる般若心経』 1997年、水書坊/254頁)
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唯識で自分を変える――仏教の心理学ガイドブック
単なる難解で抽象的な教義の体系と見られがちな唯識を、人間性/トランスパーソナル
心理学などのセルフ・ヘルプの心理学のスタイルを借りて、レクチャーとワーク(実習)を組
み合わせた、人間の日々の生き方そのものに関わる、実際に使えるものに適用した。
(1995年 すずき出版 B6判/222頁)
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わかる唯識
専門仏教用語を最小限にとどめ、難解とされる唯識のエッセンスを、人間の根源的な悩
み・煩悩とその解決・悟りの仕組みを明らかにしたものとして、一般読書人や学生にもわか
るよう平明に解説した。「歴史上もっともわかりやすい唯識」と評価されている。
(1995年 水書坊 B6判/247頁)
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能と唯識
観阿弥・世阿弥父子の座が唯識を建前とする法相宗・興福寺に属していたことを手がか
りに、能とりわけ夢幻能の成立の背後に唯識教学の強い影響があることを推測し、またテ
キスト上の証拠も取り出し、その上で、唯識の理論を援用して能の主要なテキストに新たな
解釈と鑑賞を加えた。
(1994年 青土社 四六判/225頁)
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美しき菩薩・イエス
近代の歴史学・文献学的な聖書研究によって、いわば玉ネギの皮むきの如く解体された
「イエス像」を、そうした研究の成果を踏まえた上で、もう一度、現代人にとって意味ある「人
間の生き方の典型的・極限的なイメージ」として、とりわけそのイメージの「美しさ」がどこか
ら生まれるかを読み取る。キリスト教徒にとっては救い主、宗教史的にはキリスト教の開祖
と捉えられるイエスを、仏教の「菩薩」の概念を援用して描き直す試み。
(1991年 青土社 四六判/251頁 品切れ中)
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唯識の心理学
二、三ないし三、四世紀に興起した、空・中観の思想に並ぶインド大乗仏教のもう一つの
頂点と呼ばれる唯識を、現代の深層心理学・トランスパーソナル心理学的な視点から現代
的に読み解く試み。心を八つの領域に分析する「八識説」を仏教の深層心理学、人間の世
界認識の三様式を分析した「三性説」を認識論、怒り、恨み、嫉み、害意、傲慢などの「煩
悩論」を心理現象論、さらに修行の深まりの段階「五位説」を成長段階論などとして現代人
にも普遍・妥当性を持つものとして読む。
(1990年(改訂新版2005年) 青土社 四六判/270頁)
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トランスパーソナル心理学
行動主義・実験主義的心理学、精神分析、人間性心理学に続いて、1960年代末に、アメ
リカで興った「心理学の第四の潮流」と呼ばれるトランスパーソナル心理学の概説紹介。東
洋宗教と西洋心理学を統合し、近代的な自我の確立を超えた人間性の成長可能性を明ら
かにしたその流れの登場の時代的な背景、中心的な理論家、マズロー、フランクル、アサジ
ョーリ、ウィルバーの学説を要約紹介し、現代日本の状況に対する意味を述べる。
(1990年(増補版2000年) 青土社 四六判/291頁)
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