コスモロジーとは
コスモロジー心理学の前に、まずはコスモロジーという言葉について。(以下の記事は、主幹岡野のブログ記事より引用)
人間は他の動物と異なって、本来・生まれつきの能力という意味での「本能」によって生きることができません。
ほとんどすべてのことを「言葉・言語」を媒介にして後天的・人為的に作られた「文化」によって営むのです。
(中略)
つまり、人間は、本能ではなく言葉と文化によって世界を認識し、そのことによって生きていくという生き物です。
世界がどういう秩序になっているかということを語る言葉の体系を、宗教学や民族学では「コスモロジー」といいます。世界の秩序(コスモス)を語る言葉(ロゴス)というギリシャ語の合成語からきています。
コスモロジーについて – 伝えたい!いのちの意味―岡野守也の公開授業+α
https://blog.goo.ne.jp/smgrh1992/e/f6788023e2305234b1036f6dca80a19a
コスモロジー心理学とは
20世紀初頭以降100年あまりをかけて近代科学から飛躍的に進んだ〈現代科学〉の標準理論を総合的・主客合一的*に捉えると、幸いにして「科学的でありながら空しくならない世界観・コスモロジー」が見出せることに着目し、それをできるだけ実感的に伝えることをとおして、現代人のニヒリズムとニヒリズムから生まれる病い(精神因性の不安やうつ、自己否定感)に対処する試みです。
セラピーとして行なう場合は「コスモロジーセラピー」、
教育の過程で心の健康促進、心の病の予防を目的として行なう場合は「コスモロジー教育」と呼んでいます。
*コスモロジーセラピーでは、通常、根本的な宇宙レベルを先に、個人的レベルを後に取り扱いますが、場合によって順序を逆にすることもあります。
「主客合一的解釈」とは
まずわかりやすく言うと、ものごとを自分に引き寄せて理解する、ということです。
さらに、より詳しく言うと、ものごと(客体・対象)を自分(主体)と切り離して外のこととして客観的に捉える、デカルト的な主客分離という方法による解釈を含んで超え、すべてのものごと(客体・対象)を自分につながった自分自身(主体)のこととして捉えるというものの見方のアプローチで、コスモロジー心理学独自の解釈の方法です。
コスモロジー心理学の学びについて
講義(トーク)と実習(ワーク)と対話(ダイアローグ)を通じて、クライアントの生き方のいわばOSになっている深層のコスモロジーをばらばらコスモロジーからつながり・一体性のコスモロジーに変容させること、それによって自我の確立・再確立、自己実現、自己超越という人間成長のプロセスを総合的・統合的に促進することを目指します。
講義について言えば、参加者・クライアント・聴衆に、
- 新しい科学的知識を伝え
- それだけでなくさらにそれに対する新しい解釈・主客合一的解釈を伝え
- それによって感動を誘発し
- その積み重ね・繰り返しによって深層記憶に定着させ(熏習)
- 深層のコスモロジーを近代科学主義的でニヒリズムに到るものから現代科学的でニヒリズムを超えるものへ変容(転識得智)させること
を目標としています。